日本人のNFL(National Football League)への挑戦
今まで多くの日本人選手が挑戦してきました。
しかし、今まで誰も日本人選手としてプロチームと契約し、サイドラインを跨ぎ、フィールドを駆けた記録は残っていません。
「アメリカンフットボール」、通称「アメフト」はアメリカの4大スポーツ、
・アメリカンフットボール(NFL)
・野球(MLB)
・バスケットボー ル(NBA)
・アイスホッケー(NHL)
の中で日本人にとって最もハードルの高いスポーツと言われています。
ただ、最近では「NFL」に次いで日本人にとってハードルの高いと言われていた、「NBA」でも日本人選手として八村 塁(はちむら るい)選手がドラフト1位指名をされるなど、今まででは考えられなかったようなことが起きています。
ではアメフトはどうなのでしょうか?
活躍している日本人選手は?
残念ながら2020年現在、NFLで活躍は愚か、これまでキャンプに参加した選手はいても、最終ロスターに残り、試合でプレーをした日本人選手自体が存在しません。
それほどNFLは日本人選手にとってはハードルが高いリーグとなっています。日本では最高峰のリーグである、「Xリーグ」のトップ選手でもNFLの末端にすら食い込むことが難しいのです。
それにはいくつかの理由が推測されます。
身体能力
シンプルなのですが身体能力が一番このリーグに挑戦する上で障壁となる部分でしょう。やはり米国選手と比べると身長、体重はもちろん、足の速さ、ジャンプ力、どれをとっても劣っていることが多いでしょう。
言葉の壁
もう一つ上げられるのが言葉の壁です。
アメリカンフットボールは非常に頭を使うスポーツで、ミーティングやフィールド上でも密にコミュニケーションをとることで作戦を確認します。
特にスキルポジションは、フィールド上でたびたび起こるサイン変更に都度対応できる柔軟性も必要となってきます。しかも英語で。
その時に英語を理解できない日本人選手はそもそも相手にされないのです。身体能力だけでなく、言葉の壁も日本人選手にとっては大きな障壁となっています。
日本人には無理なのか?
それでは日本人選手には海外のプロリーグで活躍するのは不可能なのでしょうか?
決して不可能ではなく、特に技術面においては海外選手と引けを取らないくらいの技を持っている選手は数多くいます。
世界的にも、もっとグローバルな選手を獲得するような動きにもなってきたことも幸いし、海外プロリーグに挑戦しやすい環境は整っているように思います。
新たに開かれていく門戸
最近では「Xリーグ」がカナダのCFLと提携を結び、日本人がCFLでプレーできる可能性が大きく広がりました。
コロナの影響で結局今年度のCFLの開催自体がなくなってしまいましたが、日本国内でもトライアウトが行われ、約5選手がカナダでのトライアウトに招待された事実は変わりません。
CFLにおいては日本人選手が誕生する日もそう遠くないかもしれませんね。
LS(ロングスナッパー)の可能性
海外挑戦でスキルポジションやラインポジションは身体能力が大きなボトルネックになると思います。
その中でスペシャリストと呼ばれる、K(キッカー)やP(パンター)、LS(ロングスナッパー)と呼ばれるポジションは少し特殊なポジションです。
今回はその中でもマイナー中のマイナー、LS(ロングスナッパー)の海外挑戦の可能性について検討してみます!
LS(ロングスナッパー)は可能性がある
LS(ロングスナッパー)は他ポジションに比べてかなり可能性のあるポジションだと私は思っています。
決してLSが簡単だからではなく、日本人に合った要素を求められがちだと考えるからです。
アメリカでの経験を元に、これから理由を解説します。
器用さ、正確性を求められる
LS(ロングスナッパー)は指先の器用さ、ボールのコントロール能力が最も求められます。
ボールをいかに速く綺麗なスパイラルで投げることができるかがまずは大切です。
この器用さやボールの扱いについては、後天的に鍛えることも可能で、日本人らしい「細かさ」を活かしたプレーをすることが可能です。
また、正確性についても、練習量や、投球フォームの調整でいくらでもカバーすることができます。
速さよりも強さ
LS(ロングスナッパー)は日本では比較的細身の選手がやるところが多いとように見受けられます。
と言うのも、学生チーム含め、「シールドパント」フォーメーションが主流になっており、プロテクションをする必要がないため、身軽でタックルの上手な例えばディフェンスの選手が入る方が、スナップ後のことを考えると良いからです。
ただ、NFLでは「シールドパント」は禁止であり「タイトパント」を行うため、スピードやタックリング能力より、FG(フィールドゴール)シチュエーションも含め、相手チームのラッシュを止められるだけのプロテクション能力を求められるため、まずは最低限のフィジカルが必要となります。
特にスピードは先天的な要素も強いので、どうにもならない部分があるかもしれませんが、大きさであれば、身長はどうにもならないとしても、体重は努力次第でどうにでもなります。
ラインズとして換算される
日本では細身の選手が多くいるLS(ロングスナッパー)ですが、NFL含め、本場アメリカでは「ラインズ」として換算されます。
フィールドの真ん中でボールを持ち、DL(ディフェンスライン)のラッシュを止めないといけないので、当然と言えば当然なのですが、フィジカル基準もOL(オフェンスライン)と同じレベルを求められる傾向にあります。
OL(オフェンスライン)と聞くと身長が高くないといけないのでは?と思う方が多いかと思います。
もちろん高い方が良いとは思いますが、190センチないといけないかと言われるとそうでもありません。
2020年現在で1番身長の低いNFLのLS(ロングスナッパー)は178センチ(そこそこ高いですが、、)です。
身長よりも。まずはフィジカル、スナップの正確性、スピードです。
Punt、FGで求められるスナップ能力が若干変わる
一口にLS(ロングスナッパー)と言ってもPunt時とFG時で求められるスナップ能力は大きく変わります。
FGではH(ホルダー)の取りやすい位置に毎回投げられること、一定の回転数(3回転半)で投げられることが求められます。
Puntではボールのスピードがまずは求められます。NFLの平均はスナップからパンターに届くまでが15ヤードで0.7秒と言われています。まずはこのスピードレベルはクリアする必要がありますね。
みんなLS(ロングスナッパー)やろう!
他ポジションに比べてガイ個人との強烈な差を感じづらく、日本人向きの要素を求められるLS(ロングスナッパー)。
競合選手も少ないため(その分枠も少ないですが、、)、少し能力が高ければ、かなり可能性が出てくると思います。
このLSだったらNFL選手になれたんだろうなぁと思う能力の選手も多くいます(決してLSが簡単だという意味ではありません)。
「NFL選手になる」というのが最終目標にするとしたら、LS(ロングスナッパー)と言うポジションを選ぶことは「NFL選手になる」という目標をかなりを現実的にする選択肢であると私は思います。
結論:みんなLS(ロングスナッパー)やろう!!
コメント